ランドセルの素材には、大きく分けて革とクラリーノがあります。
革は「牛革」や「コードバン」という自然素材で、そうでない人工革皮をクラリーノと呼びます。
革とクラリーノの大きな違いは「丈夫さ」です。それはランドセルのかぶせの上部を押せば一目瞭然。
「左:土屋鞄ランドセル、牛革、6年間使用」「右:セイバン天使の羽、クラリーノ、2年間使用」ですが、右のクラリーノが明らかに柔らかかったです。
左の土屋鞄ランドセルは、長男が荒く使って糸もほつれた6年ものなのに、上部の強さはばっちり残っているんです。
クラリーノのメーカーも、ランドセルの大まち(一番大きな教科書とか入れるところ)部分は心材を工夫してつぶれないようにしているのですが、かぶせの上部はごまかしようがありません。
さすが牛革!
クラリーノは強さでも、革の輝きでもかないません。
コードバンにもなると、更に6年後もツヤツヤで頑丈です。(→コードバンランドセルだけのランキングはこちら)
しかしクラリーノには「軽い」「安い」「デザイン性が高い」「水に強い」というメリットもあり、多くのランドセルを見ていると、どっちがいいかわからなくなりますよね。
そこで、ランドセル選びに役立つように、革とクラリーノの違いを分かりやすく紹介していきます!
ランドセル選びの参考にしてくださいね。
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ランドセル、革とクラリーノどっちがいい?違いを比較
- 重さを比較
- 価格を比較
- 生産量を比較
- デザイン性を比較
- 革の丈夫さを比較
- 水に濡れた時を比較
- カラーバリエーションを比較
重さを比較
- コードバン…1,300~1,600g
- 牛革…1,200~1,500g
- クラリーノ…900~1,300g
ランドセルの重さは、コードバンが一番重く、クラリーノが一番軽いです!
ランドセルの中身は小学校1年生でも平均して2㎏~あるとされています。
実際に次男が小1の時に計ってみたら、4㎏あった日もありますw
100gでも軽くしてあげたい!と言うのは親の本音ですね。特に痩せ型の女の子など、コードバンは重く感じるかもしれません。
最近のランドセルは全て、背カンと背当ての工夫から、体に密着して重さを感じにくい作りになっています。2㎏~の重さを入れて試着して、お子さんの感想が「軽い」ならOK。「重い」ならやめた方がいいでしょう。
価格を比較
- コードバン…8~15万円
- 牛革…5~8万円
- クラリーノ…2~7万円
コードバンは馬のお尻の革を使っています。1頭の馬から2個しかランドセルを作れない上に、職人の手作業は必須。そのため高額になります。
牛革はコードバンよりは素材が多く仕入れられますが、同じように職人技が必要なため中間の価格帯です。手作業に込められた思いや希少性を重視する人は、天然革がおすすめです。
工場で大量生産できるクラリーノは最も安価なので、安さや「入学前のギリギリの時期でも手に入る」というメリットがあります。
生産量を比較
引用元:PRTIMES
- コードバン…毎年少量で夏前に売り切れることが多い
- 牛革…コードバンほどではないが10~11月頃に売り切れが出る商品も多い
- クラリーノ…大量生産可能
生産量はコードバンが圧倒的に少なく、コードバンのランドセルを手に入れられる子は毎年、全体の3%未満です。夏前に売り切れる商品が多いため、早い人は子どもが年中の2~3月からショールームめぐりを初めて、4月には注文を完了しています。
>>詳しくはコードバンランドセル・ランキングの記事をご覧ください
デザイン性を比較
- コードバン…自由度は低いが革の輝きは最上級
- 牛革…カラーバリエーションも豊富で革の輝きも一級品
- クラリーノ…カラーバリエーションやデザインの自由度は一番高い
天然の革は加工や着色の観点から、デザイン性は低いと言えます。ただ、革そのものの持つ風合いや輝きは、人工革皮には絶対に出せない上質さを感じられます。
一方で、最近はやりの水色やキャメルやピンクや薄紫などのパールカラーのランドセルがいいという方は、クラリーノがデザインの自由度が高くておすすめです。
革の丈夫さを比較
- コードバン…最強
- 牛革…強
- クラリーノ…弱
記事冒頭でも言いましたが、割と新品のクラリーノでも、6年間使った牛革に比べるとはるかに柔らかくて驚きました。革の強度は天然革が圧倒的に勝っています!
水に濡れた時を比較
- コードバン…水に弱い。すぐに拭けばOK。
- 牛革…水に弱い。すぐに拭けばOK。
- クラリーノ…水にすごく強い。
コードバンや牛革などの天然革は、水に弱いと言われています。クラリーノは水に強いことで有名ですね。
ただ、土屋鞄の牛革ランドセルを、カバーなしで6年間使い、濡れた時も放置したりしていたけど、6年たっても牛革の輝きは変わりませんでした。
現代のランドセルは、コードバンも牛革も、雨に少し濡れることを想定して加工してあるため、綺麗に水をはじいてくれますよ。それほど気にするポイントではないと、使ってみて実感しました。
カラーバリエーションを比較
- コードバン…赤と黒が中心
- 牛革…わりと色んなカラーが楽しめる
- クラリーノ…どんな色でも自由自在
コードバンランキングの記事でも紹介しましたが、黒川鞄やMOGI鞄ランドセルは、コードバンでも11色を出しています。
「じゃあコードバンでもいいじゃないか!」と思うかもしれませんが、ちょっと待ってください。
11色と言ってもこんな感じ…クラリーノのカラフルな色をイメージしていた方には、「物足りない」と思うかもしれませんね。コードバンは基本は赤と黒。革の輝きや丈夫さや風合いに価値があると考え、カラーバリエーションは期待しない方がいいです。
これです。この輝きはコードバンにしか出せません。
一方で、同じ天然革でも、牛革はもっと着色技術があるんです。
こちらは羽倉ランドセルの牛革のカラーバリエーションです。
どんな色も自由自在でしょ(笑)
牛革はクラリーノ並みにカラーバリエーションが豊富なので、天然革で可愛い色が選びたい方は、牛革が一番おすすめです。
もちろんクラリーノもカラーバリエーションは豊富で、繊細な「メルティローズ」「グレープ」「アイスブルー」「クリーム」など、絶妙な色合いもかないます。上の画像は完全オーダーメイドで有名なララちゃんランドセルの素材カラー一覧です。
>>女の子にトップ人気のララちゃんランドセルの【悪い口コミ】
次に、これらの比較を踏まえ、素材別にメリットデメリットをまとめてみました。
コードバンのメリットデメリット
- 輝きが最上級
- 6年後も強度バッチリ
- 人とかぶることが少ない
- 重い
- 高い
- 色が少ない
- 売り切れが早い
- 在庫が少ない(1頭の馬から2個のランドセルしか作れないから)
- 水に弱い(その日のうちに拭けばOK)
ランドセルを比較してみると、コードバンを選ぶ人が多いのですが、コードバンは数も少ないし、扱っているメーカーも少ないため、そもそも目にするチャンスが多くありません。
おまけに夏前に売り切れることがほとんどなので、コードバンランドセルの存在すら知らないという人も少なくありません。
けど、比較をすれば一目瞭然…革のダイヤモンドと言われるコードバンの魅力は大きく、教科書1~2冊分くらい重くなっても、コードバンランドセルこそ我が子に…!と願う人も多く、毎年争奪戦が繰り広げられます。
牛革のメリットデメリット
- 丈夫
- 革の持つ味わいがある
- デザイン性も高い
- 価格もクラリーノと変わらない
- 人気メーカーは売り切れが早い
- クラリーノに比べると重い
牛革はコードバンとクラリーノのデメリットを解消する、ちょうど中間に位置する素材です。クラリーノに比べると重い点が唯一のデメリットと言っていいくらいですね。お子さん自身に試着をしてもらうことで、「重く感じるかどうか」をチェックできると一番です。
クラリーノのメリットデメリット
- 安い
- 軽い
- 水に強い
- デザイン性が高い
- 全国どこでも手に入る
- 入学直前でも手に入る
- 安っぽい
- オーダーメイドでない限り、人とかぶることが多い
- 革のツヤめきでは天然革にかなわない
- ランドセルリメイクしにくい
万能に見えるクラリーノですが、天然革…特にコードバンランドセルと横並びで比べると、高級感や革の輝きでどうしても劣ってしまう点が、気になります。
ただ、シーズンが終わって正月を過ぎても、イオンなどに行けば豊富に手に入る上に、割引率も高いため、遅くにランドセルを買う場合でも手に入りやすいのは大きなメリットです。
ランドセル、革かクラリーノ、どっちがいい?【まとめ】
図にまとめると、こんな感じです。イメージでは…
- 女の子…デザインや色と軽さを重視するから、クラリーノが多い
- 男の子…ちょっと重くても6年間くずれない丈夫さを重視して、牛革かコードバンが多い
となっています。
「色」「安さ」「軽さ」「丈夫さ」などなど考えながら、ベストなランドセルが見つかるといいですね。
私は2人の子どものときにショールームに行きまくりましたが、やっぱり試着に勝る決め手はなし!と言ってもいいくらい、試着で本人の背負い具合を見るのが一番でした。
ショールームが遠い人は、郵送試着できるメーカーがほとんどなので、我が子が年中さんの2月を過ぎたらどんどんラン活を始めましょう!
わたしは個人的には、ランドセルはリメイクして(自分でやる方法はこちら)我が子の6年間をずっと思い出せる革製品に生まれ変わるのがいいなと思っているので、それを踏まえてランドセルはコードバンか牛革の天然革がおすすめです。
革の持つ風合いは素敵ですからね。コードバンだけのランキングもあるので、併せてご覧くださいね。