幼稚園から帰ってきた我が子が一言「今日○○君と喧嘩した…」
こういった言葉を聞かされたら親としては「助けてあげたい」「かわいそう」など、モヤモヤした気持ちになってしまいますよね。
又、喧嘩をしたという話を聞くだけでなく、公園で遊んでいると知らない子と喧嘩している、家の中では兄弟喧嘩が絶えないなど、実際に子どもが喧嘩をしている場面を目にすることもあります。
そんな時はどのように対応をしたら良いのか、大人でも難しい部分です。
対応を間違えてしまうと子どもの育つべき力が育たなかったり、心に傷をつけることにも繋がります。
子どもの気持ちを汲み取りながら、喧嘩時の対応をするにはどうしたら良いのか。
今回は、幼稚園に通う5歳児の喧嘩のパターンで親がとるべき対応を紹介します。
この記事はこの方に監修していただいております。
子供が幼稚園で喧嘩したらどうする?
- じっくりと話を聞く
- なぜ喧嘩になったのかを考える
- 対応策を一緒に考える
- 先生にも事を話し、協力してもらう
子どもが幼稚園で喧嘩してきたら、上記のような対応がおすすめです。以下に詳しく解説して行きますね。
じっくりと話を聞く
幼稚園での喧嘩の場面となると、親は実際に見ることが出来ませんし、余程大事な喧嘩でなければ先生からの報告もないでしょう。
我が子からの話で初めて喧嘩があったことを知らされます。
きっとその時の親の気持ちは、心配でしょうがないはずです。
その「心配」という感情に支配され、「○○君が悪いよね」「もう○○君とは遊ばないで」なんて事も言ってしまいがちですが、
それは絶対にNGです!
子どもの気持ちを考えると、○○君と喧嘩をしただけで、○○君とはもう遊びたくないなんて思ってはいません。
まずは、ゆっくりと子どもの目線に立って話を全て聞いてあげましょう。
子どもの話の途中で親の話が入ってしまうと、子どもは言いたいことも言えなくなります。
「喧嘩した」という話があったときには、途中で口を挟まないよう気をつけながら、話をじっくりと最後まで聞いてあげましょう。
なぜ喧嘩になったのかを考える
子どもの話を冷静に聞いていると、段々とその時の状況というのが見えてきます。
そこで初めて「なぜ喧嘩に発展したのか」が分かってきます。
子どもの喧嘩というのは殆どの場合が「一方的な喧嘩」というのはありません。
先生に「○○君にやられた」と訴える子どもの喧嘩の話を聞いても、○○君の持っている玩具が欲しい、「貸して」と言っても貸してくれなかった、だから奪おうとしたら○○君が叩いた。
一見、「○○君にやられた」と訴える子が「被害者」のようにも見えますが、話を紐解くと始めに喧嘩の原因を作った子はその子なのです。
ここまで状況が見えてくると、叩いた子どもだけに注意するというのはおかしな話ですよね。
このように、子どもの話をじっくりと聞きだし、「喧嘩の原因」を探る、考えることが大切なのです。
対応策を一緒に考える
じっくりと話を聞き、親も子どもも喧嘩の原因が分かった後は、「次同じことが起こらないようにするには、どうしたら良いのか!?」という事です。
先程の例で言うと、「叩かれて嫌な気持ちになったのは分かるけど、○○君が玩具を貸さないからって奪おうとすると、○○君も嫌な気持ちになるよね!」
ここまでで、喧嘩の原因が自分にあったという事を知らせています。
「使いたい玩具を貸したくない時って誰にでもあるから、「ダメ」って言われたときには自分の使っている玩具と交代するとか、他の玩具で遊ぶ方法も良いかもね!」
というように、相手が「ダメ」と言ってきた後の対応を伝えてあげると良いでしょう。
この会話の中で、5歳児にもなると「じゃあ○○って言ってきたらどうするの?」など、思ったことや気持ちを伝えるはずです。
その発言にもひとつひとつ丁寧に返事をしてあげましょう。
先生にも事を話し、協力してもらう
子どもの話をじっくりと聞きだし、喧嘩の原因も知り、対応策も一緒に考えました。
まだ、それだけで終わりではありません。
子ども同士の喧嘩の場合、はっきりとした形で「解決」していないとモヤモヤが残ったままの状態になってしまいます。
そうなると「幼稚園に行きたくない」なんて事にも繋がるので、しっかりと解決をするようにしましょう。
とは言っても親が翌日幼稚園に行って対応する訳には行きません。
謝ったり、「次からは○○するね」と伝えたり、仲直りのための話は子ども自身で行う必要があります。
家庭で「明日○○君にお話しようね」という話し合いが出来たら、翌日、幼稚園の先生に事の流れを話し、サポートしてもらうように伝えましょう。
子どもというのは、いざ話そうとすると緊張してなかなか話しにいけないこともあります。
そんな時に話の通った先生なら、必要に応じてサポートしてくれます。
子供の喧嘩に親が出るのはなぜいけない?
- 「自分は悪くない」と思い込む
- 「考える力」が育たない
- 危機回避能力が育たない
「自分は悪くない」と思い込む
子どもの喧嘩に親が出る、口を挟んでしまうと子どもは「自分を守ってくれている」と思い込んでしまい、
その結果、「自分は悪くない」という考えになってしまいます。
先程も伝えましたが、子どもの喧嘩というのは一方的な喧嘩はありません。
手を出した場合でも「手を出した子どもだけが悪い」ということはなく、手を出した子どもにも理由があり結果、一つの喧嘩にはお互いに反省すべき点があるものです。
一方の親が出てしまうことで、そういったことを見落としてしまいます。
「考える力」が育たない
子どもの喧嘩に親が出る、口を挟むと子どもの考えや思いを発言する場が失われてしまいます。
これだと、「勝手に親が解決してくれる」という結果になり、子ども自身が思い描く理想の解決にはなりません。
子どもの思い描く理想の解決に導くためには、子ども自身がなぜ喧嘩になったのか、喧嘩にならないためにはどうすればいいのか?と、考えるチャンスを大切にしましょう。
親が守れるのは幼稚園の間だけです。
小学生になると、先生が見ていない所での喧嘩が多いので、自分で考えて解決していかなければなりません。
自力でたくましく「喧嘩」を乗り切るためにも、幼稚園のうちから自力解決の習慣をつけるべく、
子どもの喧嘩に極力、乗り出さないようにしましょう。
危機回避能力が育たない
子どもの喧嘩に親が出るということは、「子どもを守る」ということになります。
守られ続けた子どもというのは、
目の前に危険にも気づかず、回避する能力が欠けてしまいます。
「喧嘩が良い」とは言えませんが、「喧嘩から育つこと」というのはとても多いため、その学びを後の人生に生かす方向で支えましょう。
親が子どもの喧嘩に参加するのではなく、親は子どもの喧嘩の後のサポートに徹すると良いでしょう。
親が出ないとどうなる?
あまりにも大事な喧嘩になると、親同士が出てくる必要がありますが、
子ども同士の喧嘩を子ども自身で解決が出来ていれば、おおごとにはなりません。
子ども喧嘩に親が出たり、口を挟みすぎると子どもの「考える力」や、「相手への思いやり」「協調性」という育つべき姿が育ちにくく、その結果、社会性の育たない子どもは、幼稚園内でもやりたい放題、好き勝手行い、
いわゆる「自制心」が乏しくなってしまいます。
そうならないためにも、親の役目は子どもの喧嘩後のサポート役で、育てたい力、育つべき力がしっかりと育つように援助していきましょう。
まとめ
子どもには出来るだけ喧嘩はしてほしくないし、毎日笑って過ごしてもらいたいものです。
しかし、幼稚園という「社会」にいる以上、互いの思いをぶつけ合ったり、譲れない思いがあったりし、それが「喧嘩」になってしまうのです。
決して喧嘩は良いものではありませんが、喧嘩を通して学べることもたくさんあります。
子どもの喧嘩は大切なコミュニケーションの勉強なのです!
それをしっかりと学び、育つべき力が育つためには、親は喧嘩後のサポートをしっかりと行う必要があります。
親のサポートの仕方としては・・
- じっくりと話を聞く
- なぜ喧嘩になったのかを考える
- 対応策を一緒に考える
- 先生にも事を話し、協力してもらう
親が子どもの喧嘩に手を出しすぎると・・
- 「自分は悪くない」と思い込む
- 「考える力」が育たない
- 危機回避能力が育たない
子どもの喧嘩にはついつい「助け舟」を出してあげたいところですが、
子どものためという気持ちを持ち、冷静に子どもの話を聞いてあげましょう。
この記事はこの方に監修していただいております。