成瀬は都を駆け抜ける(宮島 未奈)感想・考察

「成瀬は天下を取ることにした」の3作目。
今回は面白かったし、全3部作の最初とまん中はラノベのような読みやすさだったのに比べ、3作目のこれは「読んだ!」って気持ちになりました。
そして最後にちょっと泣きました。

自分らしくつっぱしる成瀬に振り回される周りの人たちだけど、成瀬と一緒にいることで、みんな「自分も、自分らしく生きよう」という気持ちにさせられているのがよくわかる。

観光大使のかれんしかり、大学の坪井しかり。
もともと素敵で実力のある2人なのに、なんてこったってくらい、周囲の言いなりに、周囲に押さえつけられて生きてきていて、成瀬と会ったことで自分らしく生きようと思えて素敵だった。
個人的には坪井の好きな人がなんで東大行ったの??ってところがいまだに疑問。
一言くらい、言ってくれたらいいのにって思った。
にしても、好きなこと同じ大学を目指したいってだけで京大に受かってしまう坪井頭よすぎない?

2作目の「成瀬は信じた道を行く」で出てきたお父さんが普通過ぎるおじさんだったのにくらべ、お母さんはやっぱりお母さん。

成瀬はお母さん似?
と思えたのに、3作目でお母さん視点で書かれた個所を読んで、必ずしもそうではないとわかった。
お母さんはただ、娘が娘らしく生きるのを、一度も否定しなかっただけだった。
だからあんな素晴らしい仕上がりになったんだ。

私も母として、そうでなければなぁと思ったし、そうできてるか改めて考えさせられた。

成瀬の中で特別なキャラである島崎が、1作目で東京に行っちゃうときに成瀬が初めて見せた「動揺」も意外だったけど、2作目でも3作目でも、島崎も同じように成瀬を心の支えにしていると知れてよかった。

成瀬が1作目から「200歳まで生きる」といっていて、読んでる私は「はいはい、そうなんだー」くらいに聞いていたけど、3作目でなんか、成瀬も普通の人間なんだなって思ったら、200歳まで本当には生きられない成瀬を切なく思った。
そして「じゃあ私も生きる!」と言い放った島崎に、ついホロリと涙が出てしまいました。

まごうことなき、これはASDの子どもの成功例の物語ではないでしょうか。
ASDの癖つよ、社会性のない子どもが産まれて困ってるパパママ、こうやって育てればいいんだよ。って思えました。

3作読んでよかった!ありがとうございました!
すっかり作家さんにも惚れてしまったので次は「婚活マエストロ」読んでみたいと思います!

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