待機児童解消加速化プランって何?保育士によるわかりやすい解説

待機児童解消促進プラン







こんにちは!現役保育士として12年間、保育現場で働く男性保育士です。「保育」にまつわる問題も一般的な目線、母親目線、保育士目線で違う角度から見ると、全く違う感想になりますよね。

 

近年、「保育士不足」や「待機児童」という言葉をニュースや報道などでよく耳にします。

保育士が足りていないとどうなるのか?

待機児童とはいったいどういった問題なのか?

 

今回は、保育業界の実情や、待機児童問題について。更に待機児童問題を解消させるために国が施策として取り組んだ「待機児童解消加速化プラン」について、わかりやすく説明していきます。

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「待機児童」とはどのような問題なのか?

2016年に待機児童が社会的問題だということを世に知らしめた「保育園落ちた、日本死ね!」というブログが話題になりましたね。覚えていらっしゃいますか?

 

「待機児童」というのは「保育園に入所できない子ども」を表しており、実は日本が待機児童の数を計算し始めた1995年から、現在まで待機児童が「ゼロ」になったことは一度もありません。

 

近年になってやっと、「待機児童問題」が社会問題に取り上げられるようになっただけでも、小さな進歩と言えるでしょう。

待機児童問題が知られるようになったのは

  • 働く女性が急激に増えたこと
  • 「待機児童解消加速化プラン」が立ち上げられたこと

待機児童問題が、一般社会にこれほど話題にのぼるようになったのは、一つに「働く女性が増えたこと」に起因します。

 

保育園に子供を預けないことには、女性は働くことができないですからね。とはいえ、今の時代専業主婦ができるほどの経済的余裕のある家庭も少ないです。

 

また近年、厚生省が立ち上げた、「待機児童解消加速化プラン」もまた、働く親世代の関心のまとであり続けます。

 

では次に、日本が少子化でありながら、待機児童問題を抱え続ける原因をみていきましょう。

「待機児童解消加速化プラン」とは

日本は「少子化」と呼ばれる国なのになぜ保育園に入所できない子どもが増え続けるのか、それがなぜ社会問題に発展していくのかを細かく説明していきます。

 

待機児童問題はその名の通り、「加速化」とあるくらいなので、待機児童問題は早急に解決しなければならない国の急務となりました。

 

そこで2013年、安部総理大臣は「待機児童解消加速化プラン」をスタートさせます。

待機児童解消加速化プランとは?
  • 2013年:「待機児童解消加速化プラン」をスタート
  • 2013~2014年:「緊急集中取組期間」として20万人分の保育の受け入れ枠拡大を用意。
  • 2015~2019年:「取組加速期間」40万人の保育受け入れ枠の拡大を検討。

2013年~2014年度が「緊急集中取組期間」と呼ばれ、約20万人分の保育の受け入れ枠の拡大を行うために、国が支援を用意する期間。2015年~2019年度が「取組加速期間」と呼ばれ、約40万人の保育の受け皿枠の拡大を確保するという期間。

 

「待機児童解消加速化プラン」とはこのような内容で、待機児童がピークを迎えると言われていた2017年度末までには待機児童を「ゼロ」にしようと考えられた政策です。

経済団体に育休期間を延長する要請

他にも安部首相は、経済団体に育休期間を3年間に延長するように要請も行っています。

具体的な取組としては…

育休期間延長の内容
  • 「保育所建築の際に国有地を活用したり、賃貸でも保育所建築ができるように支援する」
  • 「保育園で働く保育士の確保」
  • 「小規模保育事業の支援」
  • 「認可外保育園の認可園移行の支援」
  • 「事業所内保育所の支援」

が挙げられます。

待機児童解消加速化プランまとめ

待機児童解消加速化プランを簡単に説明すると、以下のとおりになります。

  • 子どもが入所できないのであれば、保育園を増やす
  • 保育施設を多様化する
  • 母親の育休期間が延びれば、子どもを保育園に預ける必要がない

ということです。

それでも減らない待機児童、それにはカラクリが!!

待機児童解消加速化プランが2013年スタートで進められてから、待機児童は減るどころか増える始末である。

待機児童解消加速化プランの内容を紐解いてみていくと、実によく出来ていて、「そうそう、それを早く実践して欲しいのよ!」というママたちの同意の声も聞けそうなくらいです。

 

しかしながら、2013年の「待機児童解消加速化プラン」スタートから2018年現在も、待機児童は一向に減るどころか、増え続けているのが現状。

 

実際に保育園の数、待機児童の中でも最も数の多い0歳児~2歳児のみを預かる「小規模保育園」の数、社員の子どもを預かる「企業所内保育園」の数も増えましたが、それでも待機児童の数は減るどころか、増え続けているんですよ!

待機児童数のカウント法と公表方法

待機児童解消加速化プランの政策が進み、保育の現場は改良されてきているはずなのに、なぜか待機児童が解消されない…その原因は待機児童数の「公表」の仕方にあります。

 

厚生労働省が公表している待機児童数は、「認可園」に入所できず、仕方なく「認可外」に入所している子どもの数は含まれていません。

待機児童数の数え方の変化
待機児童数

=「①保育園に入れなかった子供たちの数」

+「②認可外保育園に入っていて、認可保育園に転園したい子供たちの数」

つまり、待機児童解消加速化プランがスタートし、保育園の数が増えたところで、元々認可園に入所できなかった「公表されている待機児童」に加え、「認可外に入所していた子ども達も認可園に入所申し込みを行うことで、今までは表面化されていなかった待機児童数がカウントされているのです。

認可外保育所に入所していた子供の枠

認可外保育所に入所していた子供の枠も、カバーできる予定ではあった。

ここで一つの疑問が浮かんできます。保育園の数が増えているのであれば、認可外に入所していた子ども達も受け入れる枠はあるのではないか?ということ。

 

そもそも待機児童解消加速化プランでは、認可外保育所の自動も計算に入っていたため、受け入れできそうな気がしますよね。

 

しかし、「待機児童解消加速化プラン」のプラン通りに行かなかったことが一つあるのです。それは保育士不足です。

「保育士不足」は待機児童問題に多大な影響

保育士の確保が必須でありながら一番の難問である。

保育園を「認可」するためには様々な条件をクリアする必要があります。

 

その中で一番有名なのが「保育士一人に対しての、子どもの受け入れ人数」です。

「0歳児」3人、「1歳児」6人、「2歳児」6人、「3~5歳児」30人、この人数なら保育士一人で見れますよという規定です。

 

これを守る為には保育士資格を有した保育士の確保が必須になります。しかし、保育士は仕事内容が膨大な割りに給与面が安く、離職率が高い職業です。

 

又、保育士資格を有しているのに保育現場では働かない「潜在保育士」がとても多いことも社会問題となっています。

保育士が足りないとどうなる?

認可園には保育士一人が受け持てる子どもの数が決まっています。その保育士が確保できない保育園は必然的に、受け入れることの出来る子どもの数も減ってしまいます。

 

「待機児童解消加速化プラン」の具体的な内容にも「保育園で働く保育士の確保」とあり、実際に保育士資格取得を考える人への支援や、「潜在保育士」の現場復帰に向けての支援も行っています。

 

が、保育業界の現状としては保育士に復帰する人が少なく、「保育士不足」が続いています。これが原因で、保育園という「箱」は増やしたが人材確保が出来ず、子どもの受け入れもできない。

保育し確保できず閉園

結果、経営不振となり閉園した保育園も多いのです。

 

「保育園を増やし、保育の受け皿を確保すること」で、待機児童を減らして働く親世代が経済支援できるというところに待機児童解消加速化プランの目的がありました。

 

しかし「働き口が増えれば保育士は増えるだろう」という点が盲点になったとも言えます。

保育士の待遇改善!

ですが、2017年4月からは「処遇改善加算」がスタートし、経験や技能に応じた「給与の上乗せ」が行われるようになりました。

 

保育士における経験や技能という線引きは難しく、園によっても異なりますが、「役職」につけば加算されるという制度です。

 

「役職」になれば給与が上乗せされる、それまで頑張ろうという気持ちになるよう、現在働いている保育士の離職を防ぐ効果にも期待が持てます。

 

最近になってようやく「保育士不足」の重要性に焦点がいき、それを克服するには「給与面」ということに矢先が向いたのです。

 

2013年からスタートした待機児童解消加速化プラン。今後改善を重ねて本当に、待機児童0の時代が来ることを願います。

参照元サイト:厚生労働省

まとめ

「待機児童」という言葉は今では誰もが知っているワードです。

 

「保育園落ちた、日本死ね!」はとても衝撃的なニュースで、そこから国が真剣に待機児童問題を解決しようとも考えてくれたと見ています。

 

コレまで書いてきた「待機児童解消加速化プラン」がどのような内容の政策なのか、この政策がスタートして待機児童問題はどうなったのかを、以下に簡潔にまとめました。

「待機児童解消加速化プラン」とは?まとめ
  • 保育園に入所できない子どもがいるので、保育園の数を増やした
  • 保育園で働く保育士への支援を行う
  • 認可保育園以外の保育施設の充実
「待機児童解消加速化プラン」が始まって待機児童はどうなったのか?
  • 仕事量と給与が見合わず、保育士離れが進む
  • 保育士不足が深刻化し、子どもの受け入れができない保育園の閉園が進む
  • 待機児童の数は減らない

このまとめを見ると「待機児童解消加速化プラン」は意味なかったのでは?と感じる人もいるでしょうが、そうではありません。

 

実際に小規模保育園や、企業所内保育園などのニーズは高まっており、認可保育園に入所できない人の選択肢は以前に比べグッと広がっています。

 

又、なぜ保育士が集まらなかったのかを再検討することとなり、結果「処遇改善」という形で現場で働く保育士へ還元する形にもなりました。

 

このプランがスタートし、阿部首相は「育休を3年間に延ばす」という申請をしたにも関わらず、その後は「一億総活躍」という政策も立ち上げ、女性も活躍する時代とも話していました。

 

これって良く考えると矛盾していますよね!?

働こうとする女性は保育園に子どもを預けなければなりませんし、育休を延ばすということは「まだ活躍するな」とも取れます(笑)

 

矛盾はすれども、仕事再復帰の時期を女性や家庭の事情によって選択肢が広がったとなれば、あながち悪いとも思えません。

 

少し話がずれてしまいましたが、「待機児童解消加速化プラン」はまだ試行錯誤の段階。気長に…とは言いませんが、結果が出るまであと数年間は見守り続ける余地があると感じます。

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