リバー(奥田英朗)感想・考察

奥田英朗さんの【リバー】読みました。
あぁ疲れたって感じです(笑)
本屋で手に取った時からものすごい厚みで、「ようし読むぞ!」と意気込んだ本でした。
まるで辞書を持ってるみたいで、読んでいる間の腕がつかれましたが、内容は秀逸でした。
大容量の火曜サスペンスを観終わったような満足感と共に読み終えましたので、今回も感想を書いていきますね!
ネタバレしすぎないよう気を付けますが、若干はネタバレすると思うので、まだ読んでない方、見たくない方はここまでにしてくださいね。
川原で女性の全裸遺体が発見されるという重い事件から小説はスタート。
実在の事件を元にしたらしいですが、詳細は不明です。
栃木と群馬の県境で起きた事件なので、2つの地元警察がでこぼこに事件を捜査。
こういう場合は、ドラマとかだと2つの県警が対立したりして、捜査が進まないなど容易に想像できますよね…。
しかもその10年後に迷宮した事件と同じ事件が再び起き、犯人を追っていく緊迫した内容でした。
刑事が目星をつけた3人の容疑者に対して、捜査が進んでいく話です。
「この人かな?」
「この人は犯人じゃないぽいな」
などと推理しながら読んでいくので、分厚い本でも苦じゃなく進められました。
文体も読みやすくてスムーズ。
これからリバーを読む方にいいたいのは、
「これだけ分厚い本なのだから、前半を我慢して読んだら、
後半にはスラスラ読める盛り上がるか所が散りばめられているに違いない。
と思うのは大間違いである。
最初から最後まで、同じテンションでストーリーは続く」
とお伝えしたいです。
私も前半は頑張っていつも通り、淡々と読み進め、後半になると一気に加速して進むはず!と期待していたものの、前半と同じように淡々と進んでいって、気がついたら終わってたって感じです。
途中に中だるみもなくずーっと7割くらいの面白さが最初から最後まで続く感じです。
普通ならば、前半4割くらいの面白さ。
後半10割の面白さ!って感じじゃないですか。
奥田英朗さんの【リバー】は、ずーっと7割です。最初から最後まで、ずーっと7割のテンションです(笑)
ずーっと「ぎり読み進められるくらいの面白さ」が続くから、途中で断念することはないと思います。
一番残念なのは、作中に出てくるどのキャラにも、感情移入できないまま終わってしまったところです。
男性がリバーを読めば、きっと捜査員などの目線で物語を楽しめるだろうと思います。
私は女性なので、千野記者か、スナックのママの明菜くらいしか投影できないのですが、2人ともうすらぼんやりで感情があまり書かれないので、なかなか物語に入り込めずに、常に外側から見続ける感じがしました。
明菜はなかなか同情すべきポイントも多いのですが、最初から最後までリアル過ぎて浮き沈みのない人生で、好きになれる人柄じゃないんですよね。
唯一感情移入できたのは、娘を殺された父親の松岡です。
「頑張れ!」
「めげずに犯人を追い続けて!」
と途中までは応援するのですが、途中からは・・応援するのもやめてしまった。
最大の残念ポイントは、犯人が暴かれるときの「どっかーん!」って感じの盛り上がりがないところです。
「え?あ、やっぱそいつが犯人?あぁ、そういうことか…」
と地味につじつまが合う感じで、失われたパズルのぴーすがドカンとハマる快感がないんです。
それだけを期待して分厚い本を読み進めたのに…。
ただ、最後の最後に意外な犯行の謎は全て明らかになって、しっくりきたスッキリ感はありました。
実際の警察の毎日って、こんな感じで犯人逮捕の連続なんだろうなって思いました。
でもでも、ここまで文句を垂れながらも、「さすが」と言わざるを得ない面白さがあり、多くの人に読んでもらいたいと思うんですよ。
この分厚さを読み終えた達成感と「面白かった!」の満足感は十分でしたよ。


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