夏目漱石「こころ」あらすじと感想を短く紹介!先生と遺書の読解も

有名な夏目漱石の代表作の「こころ」ですが、明治の文学だけあって現代の子どもには理解しにくい部分もあるかと思います。昭和生まれの私ですが、わたしなりに感じた「こころの感想」を紹介していきます。

こころは「先生と私」「両親と私」「先生と遺書」の3つの大きな文節に分かれていますが…全編の2つに比べると圧倒的な質量を誇るのは、最後の「先生と遺書」という部分です。

今回は夏目漱石のこころのあらすじと感想…名言や登場人物、そして「先生と遺書」の内容の読みときを書いてみました。

読書感想文などの参考にしていただければと思います。

が、令和でも変わらず読みやすく面白い文体なので、ココだけで完結せずに是非、手に取って読んでみてくださいね。

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夏目漱石のこころの登場人物

きれいな蓮

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  • わたし
    …物語の主人公で語り手。大学生の若い男性で、自分の将来を見つけられずこころがふわふわと揺れているところに、「先生」と出会い謎めいた先生の生き方に惹かれていきます。
  • 先生
    …鎌倉の海であるとき主人公の青年と出会う、一風変わった男性。教師ではないが、主人公の青年は感化するものがあり「先生」と呼ばれます。過去にこころに深いトラウマを抱え、そこから抜け出せずに俗世間と関わらずにひっそりと生きています。
  • 先生の奥さん
    …東京に住む先生の奥さん。美人で気立てがいいが、先生の悩みについて把握しておらず、夫婦仲はいいものの、こころで結びついていないと主人公に感じさせる。浮世離れしたお嬢様的なフワフワとした優しいイメージ。
  • K
    …先生の学生時代の友人で、親戚と上手くいかずに経済的に苦しいため、先生の下宿部屋に居候している男性。

こころのあらすじ・ネタバレ

夏目漱石の「こころ」は3つの章に分かれており、本の冒頭の目次に書かれています。そこにいきなり「先生の遺書」とあるので、読み始めてすぐに、「この先生は途中で死んで、遺書を書くんだな…」とわかってしまいます…。

上:先生とわたし

主人公の大学生は、遊びに行った鎌倉の海で40代男性とたまたま知り合い、思慮深い物言いに感化され、懐いていきます。相手は職についておらず、書物を読んだり土地を散策したりして過ごしているのですが、物越しや生き方に惹かれるものがあり、主人公は「先生」と呼び懐いていきます。

鎌倉から帰った後も、大学が暇なときは先生の東京の家に何度も何度も遊びに行きます。先生の家には美しい奥さんがいて、もてなされますが、先生は思わせぶりなことばかりをいい、常に要点を隠して遠回しな物言いをするなど、会うたびに謎が深まるばかりです。

主人公は先生の秘密や確信に食い下がり、先生の言う謎めいた言葉の本心を聞きたいと迫ります。

が、先生はついに教えてくれません。

先生が主人公に言った言葉。
  • 恋は罪悪だ
  • 人は信用できない
  • 金は人を変えるものだ

理由もなく突きつけられる断定的な物言いに、主人公はやきもきしますが、第一章では先生の本心の「こころ」は全く明かされません。

中:両親とわたし

大学を卒業した主人公は、父の病気の知らせを受け、田舎に一時帰省することになります。

帰省した先で主人公の両親は、大学までやったのに職もない次男坊の主人公を心配し、「先生」と呼び尊敬する師がいるのならば、その人に職を紹介してもらえと、迫ります。

仕方がなく主人公は、先生に職を探してくれるよう頼む手紙を書きますが、先生の返信を見てびっくり。それは仕事の紹介などではなく、「遺書」だったからです。

そこには死にゆく先生の「こころ」が書かれていました。

下:先生の遺書

蓮

ここからが本編!と言ってもいいくらい、ここのボリュームが一番あります。先生の人生がぎっしりと描かれています。

先生の遺書には、裕福な資産家の家に生まれた先生が、財産を親戚に不当にだまし取られたことが書かれていました。

蓮

↑この出来事により、「金は人を変える」や「人は信用できない」と主人公に言っていたんですね。

東京の大学で、やがて出会ったひとりの娘に恋をしますが、親友Kも同じ娘に恋をします。ライバルのKを陰湿な形でけん制しつつ、裏で娘を手にいれた先生。こころを痛めたKは自殺してしまいます。

その後10数年罪の意識にさいなまれ続け、自殺してしまいます。

夏目漱石のこころの感想

夏目漱石のこころの感想を一言で言うと…「男って…」って呆れる気持ちです。

女性の私からすると、先生の奥さんや、そのお母さんの立ち位置で物を見てしまうのですが、女性に対する思いやりでも何でもない、ただの独りよがりの根暗男性が自己満足に人生をむさぼった感が否めません。明治という時代がそうさせたのでしょうか。でも昭和20年ほどに書かれた太宰治の「ヴィヨンの妻」を読んだ時も、同じような感想を抱いたので、男が如何に「女性」を知らないか、蔑視しているかが、歴史的人気小説でもやっぱり浮き彫りになったな…と思いました。

蓮

ファンの方、すみません…感想は人それぞれで、率直にお伝えする方が参考になると思っての意見なのだとご理解ください。

自分の言動ゆえに親友を自殺に追い込んでしまったことを、(年月は書かれていないけどおそらく20年間ほど)悩み続ける人生で、だれにも打ち明けられず、ついに自殺…。それも明治天皇のご崩御に合わせて殉死という形をとったことに、違和感しかありません。

職なしの先生に違和感

まず先生に言いたいのは「仕事をすればいいのに」ということ。過去に大きなトラウマがあろうとも、日々生活や家族のために汗水を流して熱中することがあれば、見なくてもいい自分のドロドロの「こころ」と向かい合わずにいられたのではないでしょうか。財産があり仕事をせずに、1日中…それも結婚生活の10数年全て「本を読んだり散策したり」で過ごしていれば、それは生きがいもなく自死する気持ちになるのではないでしょうか。精神的にとても不健康に人生を歩んでいます。

女を理解してない先生に違和感

また、奥さんに対する想いを遺書につづって入るものの、肝心な奥さんの気持ちがすっぽりと抜けて、自己満足の先生の想いを死ぬまで一貫して通しています。遺書にはすべてをつづっているものの、「このことを奥さんにはばらすな」と念を押されてもいるんです。「それが自分の妻への思いやりで、自分と同じ悩みの世界に妻を引きずりこみたくない」と言っていて、男らしいと思っているのかもしれませんが勘違いも甚だしいです。(と、女性として感じます。言葉が荒くてすみません。)

正直にすべてを打ち明けて、支え合い生きられた方が、奥さんは絶対に幸せで、秘密を持たれたままこころを隠され過ごす結婚生活は、寂しくむなしいものだったと想像できます。更に自殺…。奥さんに頼る人は先生しかいないことを先生も十分理解しているのに、自分で勝手に銅にいくつもオモリを括り付け、その重さに耐えられず自殺…。トホホ…という感じです。

「女」を美化して低能だと思っている先生に違和感

先生が奥さんにKの死の真相を打ち明けなかった理由は「純白なものに暗黒な一点を印するのは忍びなかったから」と言っています。純白やら美しさよりもまず、奥さんの想いを聞いて考え、一人の人間であることを尊重して、重荷を分け合い頼ればいいのです。

奥さんの理性や知性を尊重していれば、当然相談し、頼っているほど大きな物事なんです。「奥さんにはわかるまい」と決めつけてかかっているようにしか見えないんですよ。

遺書の中には何度か「奥さんから秘密を打ち明けるよう迫られた」とあり、奥さんがとても悩んでいたのだと推測できます。が、「俺は奥さんの美しさがかげらないために、秘密のままにしているのさ。俺って奥さん想いの優しい男だろ?」というわけです。

物語の最初から最後まで、先生は独りよがりの暇人男性です。

純白さや美貌や心の闇とかどうでもいい。好きな人と秘密や罪・重荷を分かち合えた方が、女は幸せです。

すみません、女性からすると、許せない立ち振る舞いがいくつも小説の中に見受けられ、ついつい言葉が荒くなってしまいました。

蓮

これ、男性からするとそもそも気にもならない点かもしれませんね。

でも奥さんを愛している

でも先生は、奥さんにすべてを打ち明けないのは、「悩ませないため」と言っていて、深い愛情を感じてもいます。死ぬ間際にも奥さんの心配をしています…。けど自殺するんだから、先生のこころがいくら奥さんを愛していようが心配していようが、結局自分のかたくななこころに押しつぶされて死んでいる以上、何の解決にもなっていません。

明治の「男のロマン」とでもいうのでしょうか…。やはり一人よがり感は否めません。相談されないという点で、奥さんの面目は丸つぶれ。愛する夫から人生そのものを隠され、こころを見せられない結婚生活は、あんまりです。

親友の死の重さ

上記ではさすがに言い過ぎましたね。先生は自分の卑怯な手口で親友のKが自殺してしまったという重荷を背負っており、その重荷がどれほどのものか私にはわかりません。それゆえに女性的立ち位置から奥さんに肩入れしてしまうけど、実際に本1冊を通して…人生すべてを「親友への懺悔」に捧げたような先生の生き方を思うと、いかにこころが重いのか、と考えてしまいます。

「好きな女」や「結婚生活」が手に入っても、こころは親友とともに自死してしまったような先生の人生を思うと…理解しがたいと同時に、哀れにも思えます。

先生が若い日にしたことは、実際そんなにひどいことでもないからです。彼女を手に入れるためなら、多くの男性が同じようにすること、とも言えます。

自殺したKのこころ

この時代の男性のかたくななこころは、何に基づいているのだろう?と考えずに入られません。時は明治の末期。大正時代に入ろうというところです。軍国家として階段を登り始めた日本の中で、庶民は天皇への敬意を確実に植え付けられています。

更に「家父長制」がされた明治時代なので、「男尊女卑」も加速していた時代と思われます。女性蔑視は上述したようにものすごく作品に色濃く表れていますが、男性の想いも浮き彫りになっていた点で、やっぱり「夏目漱石のこころはすごいな」と思いました。この時代、若い男性がどう思い、どう行動していたか、しっかりと書き残されているからです。

自殺したKも先生も、頭がよくまじめで、親戚に恵まれずに不遇の時代を送っていますが、絶望するほど悲観しているわけではありません。大学に行けている時点で「勝ち組」に属していたといえるし、こだわらなければ仕事探しも簡単に行きそうです。そもそも仕事しなくても生きていける環境が用意されている点で、裕福な若者たちと言えます。

Kに関しては財産がなくて悪い境遇のように書かれているものの、それにしても経済的に焦っておらず、やっぱり就職に関してゆったりと構えている感が否めません。

仕事をしなくても生きていける男性たちが、恋愛を中心に自分のこころと向かい合い、一時の衝動で自死してしまったように思えるのです。

もしかすると…自分の死が、自分へ卑劣な仕打ちをした先生の人生に大きなかげりをもたらすことを、予期していたのでは?とさえ思えてきます。

子どもがいればよかった

1度も記述がないけど、先生と奥さんには子どもがいませんが、原因は不明です。思い悩んで老夫婦のような結婚生活だったとしたら、上に挙げた点も含め、奥さんは「可哀そう」です。

せめて子どもがいれば、先生の人生も奥さんの人生も、違ったものになったかもしれない…と読みながらずっと感じていました。実際はそれほど長い結婚期間でもなく、先生や奥さんはまだ30歳ほどで適齢期だったかもしれませんが。

わたしの生き方

主人公の「わたし」の方の人格はあまりクローズアップされていない感があります。前半の「先生とわたし」や「両親とわたし」と2章かけて長々とわたしが主体の文章が書かれているにも関わらず、「先生と遺書」のインパクトが強すぎて、「私ってどんな人?」とよくわからなくなります(笑)。

それもそのはず、今どきの若者とさして変わらず…大学に行ったものの、思うように成績を残せず、やりたいこともなく仕事も探さず、実家はそれなりに財産があり、父が死んだら実家に帰れば生きていける…という環境の若者です。

つまり…先生に比べて人生経験も浅く個性がないために、印象に残りにくいんです。

「わたし」の唯一の個性は「先生に関心を持ったこと」ですが、それも謎めいた先生の謎に引っ掛かる同じロマンチストタイプだからかもしれない、と読みながら感じました。

「わたし」の将来に希望あり

物語は、先生の遺書が終わると同時にチョキン!と終わっています。つまり、遺書を読み終えた後の「わたし」の感想などがかかれていないんです。

一体「わたし」はこの遺書を読んでどう思ったのかが、まず一番気になりました。

わたしと同じように「なんて独りよがりで勝手な人生だよ…奥さん可哀そう…てゆーか、暇すぎるから自分の【こころ】にばかり目が行くんだ。仕事しろよ」と思ったとしたら、それはとても希望が持てることです。

先生の遺書を通して、主人公の「わたし」がその後の人生で、先生と同じ轍を踏まないようにいられるからです。「先生の遺書」の冒頭にも、「私の人生から、あなたが生きた教訓を学んでくれたら」という思いもつづられているので、きっと先生の遺書を読んだ「わたし」は、自分のこころに誠実に生きていくものと思われます。

さいごに

女性サイドからの夏目漱石の「こころ」についての感想を正直に書いてきましたが、いかがでしたでしょうか。批判が多いように思えますが、それは物語の中の人物に対してイライラしているだけで、作品としては大好きで、大学時代から何度も何度も読み返しています。

昭和の古い考え方の人や、現代でもそういう父親に影響を受けている若者であれば、同じ考えに傾倒しそうですよね。

男性のもつ繊細で真面目で誠実でありたいという気持ちがふんだんに描かれた名作です。本当に読みやすく、すらすらと進められるので、ぜひ手に取って読んでみてくださいね。

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