モーパッサン【女の一生】の名言とあらすじネタバレ

モーパッサン 女の一生 名言







19世紀フランスの田園地帯を舞台とした「女の一生」という世界中に名の知れ渡る名作。

 

20年以上前に読んだのに、アラフォーの今になってじわじわと心にしみるのは、主人公ジャンヌの人生が自分とリンクするからでしょうかw

 

「女の一生」はジャンヌが美しい少女から人生の坂道を転がり落ちるストーリー。見る影もなく老いて落ちぶれていくジャンヌに同情するも、「仕方ない」と思わせる人生の無情もじわじわおしよせてきます。

 

全ての女性に読んでほしい名作中の名作で、今読んでもすらすらよめる文章や構成の面白さは「さすが!」と賛美したくなる。フランスの文豪モーパッサンの秀作の、あらすじネタバレと登場人物について紹介していくので、ご覧ください。

 

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モーパッサン【女の一生】の名言

その1

「世の中って、ねえ。人が思うほどいいものでも悪いものでもありませんね。

モーパッサンの女の一生は、幸せな17歳の美しい少女が、40代の老婆(苦労して早く老けてしまった)になるまでの、まさに

坂道を転げ落ちるストーリーです。

 

不幸が次から次へと押し寄せてきて、息をつく暇もなく「幸せな少女」が落ちぶれていくのです。その坂道を転げ落ちた終着点に、主人公ジャンヌのそばにいた女中が言う、物語最後のセリフがこれ。

 

「人生は、人が思うほどいいものでも悪いものでもない。」

 

虫や鳥や動物の一生も同じですよね。幸せいっぱいで幸福のなかだけで生きている人は稀です。幸せも不幸も押し寄せてきては過ぎ去り、それらを経験してなお、たんたんと日々を過ごしていくのが人生です。

 

けれども女の一生の上の名言は、人生の最後の方に、こぼれ落ちてきた大きな幸せに対して、出てきた言葉。不幸だけが続く人生など、ありえないという希望に満ちた言葉なんです。

その2

ラベル名
「ご亭主運が悪かった。ただそれだけのことなんですよ。」

物語の終盤で、ジャンヌが自分の人生を嘆きます。

 

「私は運が悪かった!何から何まで、悪いほうばかりに行った。因果がいつも私の生活につきまとっていた!」とジャンヌが言うのをロザリが聞いて、上述のセリフを突き付けます。

 

「亭主運が悪かっただけ」

とw

 

そう。「女の一生は、亭主運が悪いと、ジャンヌのようになる」んです…それは残念ながら、19世紀フランスでも、21世紀の今の日本でも同じだと思います。

 

若い娘が男を見る目がないのは仕方がないですが、一生を左右するカギなので、伴侶選びは慎重におこなうといいなぁと思わせられます。

女の一生の登場人物

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ジャンヌ

物語の主人公。裕福な男爵家の1人娘で、物語冒頭に修道院から出てきたばかりの世間知らずな少女であった。ジュリアンとの結婚を機に、女の一生の多くをむさぼられ、薄幸に彩られた人生を送るが…巧みな演出によって「その不幸は、ジャンヌによるものでもある」と思わせられる書き方をされているため、同情されにくい薄幸のヒロインである。純粋でお人好しで物事を深く追求せず、嫌なものから目を背ける性質。

ジュリアン

家柄の若干劣る子爵の子孫。結婚持参金とジャンヌの家柄を求めてジャンヌに求婚をする。女好きでケチな性質。

男爵

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ジャンヌの父親で立派で崇高な精神を持つ人物。一家の主として妻と娘の幸せを願うが、ジュリアンの横暴さと、崩れ落ちる娘の不幸になすすべもない。孫のポールの散財で、男爵の地位や土地を失い、失意のものなくなる。

アデライド婦人

ジャンヌの母。男爵夫人として何不自由ない生活を送り、膨れ上がった肥満体と闘いながら、若いころの不倫を胸に亡くなる。娘の幸福を望むが、時代の移り変わりについてゆけず、女性の芯の強い生き方を娘に教えることもできない、ただ、「母としての愛」以外に何も持たない人物として描かれている。

トルビヤック神父

ジャンヌの村に新しく赴任した神父で、ストイックに信者のジャンヌを縛り付ける戒律を重んじる人物。

リゾン叔母

ジャンヌの母の妹で、未婚で年老いてジャンヌの家にひっそりと身を寄せる人物。物語の冒頭から終盤まで一貫して「誰からもかえりみられない、目立たない影のような存在」として、本当に影が薄く印象薄く描かれているものの…物語の終盤になってから、主人公ジャンヌがこのリゾン叔母よりも影が薄く薄幸に描かれてゆく人物のコントラストに胸を打たれる。恋愛も結婚も波立つすべてが起こらなかった自分の人生を嘆きながらも、終盤には、それらすべてが起きて打ちのめされたジャンヌの幸福だけを願うようになっていく。

ロザリ

ジャンヌの家の召使いの娘。ジャンヌと同世代で、ジュリアンの性欲を満たす相手として利用され、ジュリアンの私生児を産み他家に追いやられる。ジュリアンの息子にすべてを奪われ、無一文になったジャンヌに救いの手を差し伸べる唯一の希望。

ポール

ジャンヌとジュリアンの1人息子。放蕩息子で酒と博打が好きで、家の財産を全て食いつぶす。

モーパッサン【女の一生】のあらすじ

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最初から最後まで、すべての面において「坂道を転げ落ちる女の人生」が描かれています。ジャンヌのお人好しな、物事のいい面だけを見ようとするのんきな性格ゆえに、悲惨な物事がのどかなノルマンディの田園風景に埋もれて淡々と進んでいきます。

ジャンヌ結婚

17歳で修道院を出たジャンヌは、実家に戻り美しい男爵の娘として、ノルマンディ地方の豊かな田園風景の中で、これから起こりくる自分の人生の「幸せ」について空想を広がせていた。

 

そこに表われたのは近隣の子爵の末裔ジュリアン。容姿端麗で夢に描いた「王子様」の登場に、ジャンヌも父も母も牧師も乗り気。出会ってから2週間であっという間に結婚に進んでしまう。

 

何も知らない少女からの結婚式初夜を迎え、夫の獣のような行為に多くの夢を打ち破られるジャンヌ。女は結婚したら「夫のもの」。夫婦生活の行為を最後まで好きになれなかったジャンヌも、夫ジュリアンに身を任せる新婚生活が始まった。

新婚旅行

新婚旅行は2人の結婚生活の中で一番愛し合った時期であり、夫の本性の多くに我慢をする「女の一生」の人生の始まりでもあった。昼夜問わず体を求められ、淑女としての誇りを奪われたジャンヌ。母からもらった財産も根こそぎ夫に奪われた。

 

更には、新婚旅行から帰ると夫ジュリアンはいきなり「見知らぬ他人」。家の帳簿に細かく目を通して倹約を始め、おしゃれもしなくなりジャンヌに興味も関心も示さなくなっていった。

ロザリの出産

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幼馴染の女中のロザリが、いつも具合が悪そうになっていった。ある時ジャンヌの部屋で仕事をしていたロザリが倒れ、股の間から何かが滑り落ちた…!居合わせたジャンヌは驚いてジュリアンを呼び、ロザリが私生児を生み落としたと知る。

 

幼馴染のロザリのことを気遣うジャンヌだが、夫のジュリアンはロザリを追放しようと躍起になっていた。ある日ジャンヌが夫の部屋に行くと、寝台の上には夫ジュリアンとロザリの姿が…。2人の不貞を知ったジャンヌは絶望するが、事実を受け入れるしかなかった。

 

ロザリはジュリアンの私生児を抱えたまま、持参金付きで他家に嫁に出された。ジャンヌは夫への失望を抱いたまま、ジュリアンの息子のポールを産みだす。

ジュリアンの浮気

ポールの出産で家じゅうが赤ん坊に夢中。ジュリアンは息子にも妻にも全く関心をしめさずに、再び独身時代のようにおめかしをして隣家に入り浸るようになった。

母の死

ジャンヌの母、アデライド夫人が、おそらく肥大症で亡くなった。娘の幸福を望みはするものの、夫男爵に頼り切って生きてきたゆえに、具体的な幸せへの追求法など知る由もなく、ただ昔の不倫時代の手紙の束を抱きしめてなくなっていった。母の死後、手紙で母の不貞を知ったジャンヌは、こうした不貞の心が自分にはないのに、母にあったことにショックを受ける。

トルビヤック神父の暗躍

以前の穏やかなフリン牧師が村を去り、新しく赴任してきたトルビヤック神父はストイックで厳しい人物だった。出産している犬を、村人が囲って眺めているのを見て、その犬を「ふしだら」と殴り殺すなど、狂信的な思想を持って不貞心を許さないような性質だった。

 

ジャンヌの夫が隣人と長く不貞していることを知ったトルビヤック神父は、それを相手女性の夫に伝え、怒った夫によって相手女性もジュリアンも、殺されてしまう…。

夫の死よりも、その衝撃的な事件に胸を打たれたジャンヌは、女の子を死産してしまう。

ジャンヌの束の間の平穏な日々

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夫のジュリアン亡きあと、ジャンヌと父親の男爵とリゾン叔母は、息子のポールの成長だけを楽しみに、甘やかして育てる。特にジャンヌとリゾンはポールの愛情を取り合うように寄り添い、その事でポールはわがままに尊大に育ってしまう。

 

男爵はそのことを重要視して、ポールのために甘やかすだけの保護者から離した方がいい!として、ポールを都会の寄宿学校に入学させる。

ポールの不摂生

最初こそ、母の不在に泣いて手紙をよこしていたポールも、次第に都会の生活に落ちぶれていき、学校を退学になり酒と博打におぼれて、掛け金の負債を増やしていく。来るのは金の無心の手紙ばかりとなり、一家は困窮し始める。

父の死

父親の男爵は、なんとかポールのために金を工面しようと、家を抵当に入れて財産の全てを絞り出すが、失意の中に亡くなる。男爵亡きあと、ジャンヌとリゾン叔母は生きる術を何も知らずに、2人残されてしまった。

リゾン叔母の死

残されたリゾン叔母も高齢のため床につく。生涯を通して影の薄かったこの叔母だけが、ジャンヌに残されたただ一人の「良心」であり、ジャンヌのすがれるただ1人の人物だった。

 

幸せに思えた美しい姪っ子が、夫に財産も幸福も美しさも搾取され続け、今ではリゾン叔母の「妹」と揶揄されるほどに老けて落ちぶれていく様を見てきた叔母は、ただひっそりと、ジャンヌの幸福を願って亡くなっていった。

無一文のジャンヌ

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リゾン叔母が亡くなり、家は抵当に入り奪われ、財産もすべてポールの借入金の返済に奪われ…無一文で家を追い出されたジャンヌに、行く当てはなく、生きる手段も何一つ残されていなかった。ポールの行方は知れず、居場所も生死もわからなかった。

ロザリとの再会

ノルマンディの広大な田園風景に、無一文のジャンヌはなすすべもなく立ち尽くしていた。

そこに現れたのは、かつて持参金付きで私生児とともに他家に嫁に出したロザリ。ジャンヌの温情を覚えていたロザリは、無一文のジャンヌの境遇を知り、救いに来てくれたのだった。身の回りのことも何もできないジャンヌの面倒を無償で見て、小さな家に落ち着かせた。

 

ジャンヌのささやかな引っ越しを助けてくれたのは、ロザリと、ポールの義兄弟である精悍な若者だった。ポールと違い母に優しく忠実な若者を見て、自分の人生はどこで間違ってしまったのか?と自問するジャンヌ。

 

「ご亭主運が悪かっただけですよ」と一蹴するロザリ。

ポールからの便り

モーパッサン 女の一生 名言

久々にポールから便りがあり、愛し合った女が妊娠してて死にかけていると…相変わらずお金の無心の手紙だったが、ジャンヌは意を決して息子に会いに行く。パリの都会でついに息子に会うことはできなかったが、入れ替わりにロザリが探しに行くと、ポールの恋人は出産後すぐに亡くなり、赤ちゃんを連れて戻ってきた。

 

ポールの境遇に呆然とするジャンヌだったが、ふと見ると…

 

ロザリから受け取ったおくるみの中には、自分の息子の娘が…

 

か弱く愛すべき小さな赤子に、雨のような接吻を降らせ、ジャンヌは生きる希望と喜びを再び見出した!ジャンヌのそのすがたに涙を流し、ロザリは言った。

 

「人生は、人が思うほど、いいものでも悪いものでもない」と。

 

物語はそのセリフで、唐突に、終わります。

モーパッサンとはどんな人?

モーパッサンの生い立ち

モーパッサン 女の一生 名言

1850年8月5日、フランスのノルマンディー地方で生まれる。幼少期に父親の浮気から両親が離婚。母と弟とパリで生活することになる。

1870年普仏戦争で従軍し、それ以降ずっと戦争を嫌い、「二人の友」「マドモワゼル・フィフィ」「ソバージュばあさん」「ミロンじいさん」などの短編集でもしばしば戦争を嫌う思いを語っている。

1872年ごろから「ボヴァリー婦人」の著書のフロベールと懇意になり、自然主義文学者として執筆を始める。

1880年最初のデビュー作「脂肪の塊」を発表。一躍脚光を浴びて作家としての階段を駆け上り始める。

1883年「女の一生」を発表。主人公ジャンヌの赤裸々な夫婦生活がスキャンダラスな作品として当初は話題となったが、作品の真髄にある自然主義文学の真価により、世界的有名な作品となる。

1893年、長く患っていた精神的病により、病院にて早世。42歳という若さであったという。

わずか10年の執筆活動の中で、6篇の長編小説と、300を越す中短編集を出版。世界に名を知られる作家として、今も愛され続けている。

エッフェル塔嫌い

モーパッサン 女の一生 名言

モーパッサンはエッフェル塔嫌いで有名な人物です。1889年にパリ万博でエッフェル塔が建設されてからというもの…「エッフェル塔はパリの景観を壊す」と言って、エッフェル塔を見なくて済むために、エッフェル塔のレストランを利用していた、と言われています。

日本では有名なこの逸話ですが、1964年の『エッフェル塔』(ロラン・バルト)に書かれていたことから広まり、モーパッサンが実際にエッフェル塔内で食事をしていたかどうかは定かではありません。

さいごに

学生時代に「この主人公、物事を深く考えなさすぎる。だから夫に利用されるんだ。子どもの育て方もダメじゃん。もっと厳しくしつけるところはしつけないと!」と、偉そうに感想を抱いていました…

ごめん、ジャンヌw

私も似たような人生をちょっと歩みましたです、はい…w

なんてこった。女の一生、亭主選びを間違うと、ほんとに「ジャンヌ」になるなるwww

こわいです、本当に。

ただ、若い娘に男の選び方を万全にするのも難しいと思うんです。

紆余曲折して人生を経て、私も思います。

人生は、人が思うほどいいものでも悪いものでもないな。って。

淡々と、日々の自分の責務を果たして生きるのみ。

その中に、幸福も不幸も、散りばめられていくんだと思います。

大好きなフランスの自然主義文学家のモーパッサンの一押しの名作、ぜひ手に取って読んでみてください。

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