風と共に去りぬ・続編「スカーレット」のあらすじ!レットバトラーと離別?

風と共に去りぬの続編の「スカーレット」という小説、実は本編と作者が違います。

作者のマーガレットミッチェルの死後に、ファンの強い要望で作られた続編「スカーレット」には、スカーレットとレットバトラーが再登場して再び19世紀アメリカやアイルランドを舞台とした激動の人生を繰り広げます。

「明日は明日の風が吹く」と凛としてタラへと戻ったスカーレットのその後が気になる方は、読みやすくて夢中になれる文体の「スカーレット」はおすすめ。

以下にあらすじネタバレを紹介していくので、ネタバレしたくない方はこの先は読まないでくださいね。

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「スカーレット」の評価(わたしの)。
  • 面白さ:4.5 out of 5 stars
  • 読みやすさ:5 out of 5 stars
  • 導入の引きこみ:5 out of 5 stars
  • 読んだ後の満足感:3.5 out of 5 stars
  • 読むのにかかった時間:200分(4冊で)

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>>本編、風と共に去りぬのあらすじと感想はこちら

「風と共に去りぬ」本編のあらすじ

「風と共に去りぬ」は南北戦争時代の19世紀アメリカのジョージア州クレイトン群を舞台とした物語。

主人公のスカーレット・オハラは南部きっての美人。幼馴染のアシュレーウィルクスに思いを寄せるが、アシュレーはいとこのメラニーと結婚。やけになってメラニーの兄と結婚するスカーレットだが、南北戦争により知人男性たちの多くは戦争に駆り出され、女性たちにも過酷な戦争の闇が襲い掛かる。

北軍によって次々と町が陥落され、ついにアトランタにも攻め入ってきたその時に、何とメラニーは出産による陣痛を迎えていた。命がけの出産と、命がけの逃亡。骸骨のようなメラニーと赤ん坊と、自分の子どもを町から逃がしてくれたのは、スカーレットに思いを寄せ続けるレットバトラーだった。

あらゆる敗戦国の苦しみを経たスカーレットはお金に貪欲になり、南部の気高い精神を捨てて重婚を重ねてついに「山師」と嫌われていたレットバトラーと結婚。南部の鋳型にとらわれず自由な資本主義的精神を持つお似合いの夫婦だったが、アシュレーへの想いを断ち切れないスカーレットの結婚生活は、坂道を転がり落ちるように破綻していった…

>>風と共に去りぬ本編のあらすじネタバレ記事はコチラ

風と共に去りぬの続編は、作者が違う!

風と共に去りぬ続編の「スカーレット」は4冊の文庫本小説です。作者はアレクサンドラ・リプリーという女流小説家。本編を書いたのとは別の小説家です。

風と共に去りぬ本編を書いた作家のマーガレットミッチェルは、数々の作品を排出しながらも、文豪の誇りゆえか、亡くなる前に自身の手でほとんどの作品を処分してしまい、大ファンの私が読んだのは「風と共に去りぬ」と「ロスト・レイセン」のみ。「ロスト・レイセン」はミッチェル16歳の時に恋人に贈った短編小説が、死後46年後に発見されて出版された奇跡の1冊です。

あまりある才能を持ちながら、多くの作品を自らの手で処分してしまったとは…アーティストとしての誇りを感じますよね。

世界中であまりにも多くの「風と共に去りぬ」のファンが、続編を夢見ていたため、製作陣が組織されました。(ほっとくと、3流画家が勝手に書きかねなかったので、その牽制のためにも)

マーガレットミッチェルの死後に作者を厳選して、続編を書く許可を与えられたのがアレクサンドラリプリーというわけです。

アレクサンドラリプリーはやはり出版社に勤務経験があり「チャールストン」という作品で有名になりました。リプリーさんは本編の「風と共に去りぬ」の大ファンで、作品解釈や執筆力の観点から選ばれたとのこと。

「スカーレット」という作品自体は、面白いですが…

やはり風と共に去りぬのスカーレットやレットバトラーとは異なる2人のストーリーという印象がぬぐえません。

風と共に去りぬのスカーレットが16歳から27歳くらいまでだったのに対し、続編の「スカーレット」では28歳~35歳くらいのスカーレットが書かれていきます。レットバトラーはスカーレットの母エレンよりも年上なので…バリバリアラフィフですよね(笑)

そんな新たな2人の再生ストーリーを紹介いたします。

「風と共に去りぬ」続編のキャスト一覧

  • スカーレット・オハラ…物語の主人公。自分から逃げる夫のレットバトラーの愛を取り戻そうとする。
  • コラム・オハラ…スカーレットのいとこ。サバナの親類の中の一人で、スカーレットの父親に生き写しの容姿をする神父。アイルランドの解放運動に参加している。
  • ジェラルド・オハラ…スカーレットの亡き父親。
  • ウィル・ベンテン…スカーレットの妹のスエレンの夫で、現在のタラの主人。スカーレットの子どもウェードとエラを引き取って育ててくれる、素朴でいい人物。
  • スエレン・オハラ…スカーレットの妹。意地が悪くスカーレットとはそりが合わない。
  • マミー…スカーレットの黒人の養母。度重なる不幸に衰弱して、タラで養生している。
  • メラニー・ウィルクス…スカーレットの恋敵で親友。本編の「風と共に去りぬ」の最後で命を落としてしまう。
  • アシュレー・ウィルクス…スカーレットの初恋の相手。メラニーの死後、人生を悲観してボウフラのように生きる。
  • エレン・ロビヤール・オハラ…スカーレットの亡き母。サバナの名家ロビヤール家の3女で、父の愛を誰よりも受けていた。
  • ポリーン&ユレーリ・ロビヤール…スカーレットの母の姉たち。生涯独身で一緒に住んでいる。
  • ピエール・ロビヤール…スカーレットの祖父で、サバナの名家に寂しく住む老人。尊大な態度ゆえにしばしばスカーレットと衝突するが、スカーレットの気質に「亡き妻」の面影を見て、癒されている。
  • エレナ・バトラー…レットバトラーの母親。
  • ローズマリー・バトラー…レットバトラーの妹。婚期を逃した若い女性で、スカーレットのような女性を軽蔑し嫌う。
  • レット・バトラー…スカーレットの夫で愛する人。意地の張り合いから何度もスカーレットと衝突するが、スカーレットの人生から消そうとしても消えない運命の相手。
  • アン・アンプトン…チャールストンの女性教師。レットバトラーに淡い想いを寄せている。

「風と共に去りぬ」続編のあらすじ・ネタバレ!

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全4巻で結構長いです。

1巻のネタバレ

メラニーの葬式

「風と共に去りぬ」のラストで亡くなった親友のメラニーの葬式から、物語はスタートします。メラニーの埋葬の墓に飛び込もうとするアシュレーを止めるスカーレットですが、アトランタの人々は、スカーレットがアシュレーに横恋慕していると、相変わらず軽蔑してささやき続けます。

マミーの看病

メラニーの葬式が終わって、今度はタラから「マミーが病気である」と知らせが届きます。急いでタラに行くと、自分を育ててくれたマミーはやせ細り、看病の甲斐なく息絶えてしまいます。マミーを見とるためにレットバトラーがふいに現れますが、辛辣な態度でスカーレットをおいて出ていってしまいます。スカーレットは傷つきながらも、子どものウェードとエラの世話を妹夫婦に託して、一人でアトランタへ戻ります。

アトランタでの孤独

アトランタでは友だちもなく、どの家からも閉め出されて、北部の友人たちとも決別し、完全に一人ぼっちのスカーレット。仕事だけは上手くいくものの、孤独から深酒に陥るスカーレット。

アシュレーの世話

メラニーが死ぬ間際にスカーレットにあたくした「アシュレーの世話」のために、アトランタ郊外に土地を買い、家をたくさん建てる計画を立て、その家の資材を全てアシュレーの材木屋から買う段取りをつけたスカーレット。アシュレーは相変わらず抜け殻だが、仕事がうまくいくことで立ち直ると信じていました。

チャールストンへレットへ会いに…

孤独にさいなまれたスカーレットは、ついにレットバトラーの故郷のチャールストンに行く決意をしました。レットを取り戻すために!そこにはレットの母のエレナバトラーが、暖かくスカーレットを出迎えてくれ、家に帰ったかのような平安を覚えました。

2巻のネタバレ

ローズマリーの登場

しかしレットには年の離れたスカーレットと同世代の妹ローズマリーがいました。独身で男勝りなローズマリーは、着飾って派手なスカーレットを嫌い、対立してきます。

ダンモア・ランディングの再建

レットバトラーはスカーレットの来訪を嫌い、一刻も早く立ち去るように何度も言うのでした。自分はダンモア・ランディングという農場を再建させるのに夢中。スカーレットの誘いにはのらずに、ついにチャールストンを追い出されることになってしまいます…。

ヨットでの船旅

チャールストンを去る間際、最後の最後のお願いで、レットとともに置きにヨットで日帰りの旅をしたいとスカーレットは頼みます。レットもこれに承諾。2人でヨットの旅に出かけ、新婚時代のように楽しく過ごします。

海での遭難

ところが嵐に合ってヨットが転覆。二人は命からがら沖に泳ぎ着き、生死をさまよった後の興奮状態の中で愛し合います。しかしそのはずみの愛の行為を恥じて、レットは姿を消してしまいます。業を煮やしたスカーレットは、祖父のいるサバナへ旅行に行くことに。妹のローズマリーにその旨の手紙を託しますが、スカーレットを嫌うローズマリーは手紙を焼いてレットに渡しませんでした。このことが、2人の運命を大きく変えてしまいます。

サバナへの旅行

サバナへの旅行は、叔母たちとともに生き、退屈極まりないものでした。しかし母エレンが幼少期に過ごした大豪邸に一歩足を踏み入れると、スカーレットの祖母の妖艶な肖像画に出迎えられます。かつて祖父をとりこにした魅惑の女性として今もなお語り継がれる祖母の若き日の肖像画に魅入るスカーレット。祖母ソランジュに生き写しの容姿をしたスカーレットの登場に、試みだされたのは屋敷に住む祖父のピエール・ロビヤールでした。

ピエール・ロビヤール祖父

70~80歳くらいの高齢であるロビヤール祖父は、尊大な態度でスカーレットや叔母たちに横柄に振舞います。びくびくする叔母たちを横目に、スカーレットは持ち前の勝気な性格を披露。祖父と衝突するも、自由奔放に振舞います。

父方、オハラ家の親類との出会い

サバナには、父方の親類もいて、スカーレットを暖かく迎え入れてくれますが、家の格が違うとロビヤール祖父からは付き合うことを反対されます。これに反抗してスカーレットはオハラ家の親類を選び、住居をそちらに移します。

妊娠発覚

サバナへ旅行して1か月たとうとしてもまだ、レットバトラーが迎えに来ない…。海辺で愛を確かめ合ったばかりなのに、なぜ来ないのかと気をもんでいたけど、ローズマリーから手紙が渡されていなかったことが発覚。怒るスカーレットですが、体調不良から妊娠していることを確信。

3巻のネタバレ

アイルランドへの旅行

レットバトラーは子どもが大好き。妊娠しさえすれば、この子どもを引き取るためにレットを必ず取り戻せるはず!と確信したスカーレットは、いとこのコラムの勧めでアイルランドの親類に会いに行くことにしました。

レットバトラーの再婚

しかしアイルランド旅行中に、レットバトラーの再婚の知らせが届きます…。レットはチャールストンの女教師のアン・ハンプトンと再婚するということです。すでに離婚手続きも終わってしまい、遠いアイルランドの空で何もできないスカーレット。傷心のなか、未婚の母として、ゴシップの種にならないために、アイルランドで生きていくことを決めます。

バリハラの再建

アイルランドの壊れた街バリハラを買い取り、農民を集めて土地を耕し、再建を始めるスカーレット。土地を再建することに情熱を燃やすことで、レットのことを忘れようとします。

フェニアン団という組織

しかしいとこのコラム・オハラは、実はフェニアン団という地下組織のリーダーでした。フェニアン団はアイルランドの解放運動の過激派組織。バリハラは実は、フェニアン団の団員の巣窟で、街には無数の武器が隠されているのでした。

難産による出産

そうとも知らずにスカーレットは、ハロウィンの日に女児を出産。難産で産婆が逃げ出し、息も絶え絶えのところをアイルランドのあやしい占い師のカイリャハに救われます。しかし魔女カイリャハは、出産時にやむを得ずにスカーレットの子宮も摘出。スカーレットは2度と子どもを産めない体になってしまいます。しかし生まれた娘のキャットの愛らしさから、苦しみの全てを忘れて前向きに生き始めます。

アトランタの財産を処分

赤ちゃんのキャットを連れて、アトランタの財産を処分するために一時帰国。フランクの店も売り、家も売り、財産を処分します。

アシュレーとの再会

かつての想い人、アシュレーとも再会。アシュレーの製材所は、スカーレットの影の援助によって大繁盛しており、アシュレーの精悍な顔つきは戻り、男としての自信を取り戻して生きている姿を見ることができます。2人は再会を喜び、もう恋愛対象ではなく、親友となることを誓い合います。

タラへの帰還

スカーレットは、タラに預けっぱなしのウェードとエラを引き取るためにタラへと向かいます。けど、タラの主人のウィルベンテンは、ウェードと父子としての絆を深めており、ウェードをこの土地から引き離すことを諦めます。長い間母親として放置し続けた結果を、スカーレットは受け止めます。

再びアトランタへ

結局子どもはキャットだけを連れて、再びアイルランドへ戻ります。運命のいたずらで、アイルランド行きの船はチャールストンに一泊することに。自分を離婚して、別の女と再婚したレットバトラーのいるチャールストン。子どもの存在を知られたらキャットはレットに奪われてしまうと考えたスカーレットは、びくびくした思い出船で過ごし、やっと船はチャールストンを出ることに。出向の時に偶然ん港でレットバトラーの姿を見たスカーレット。双方偶然に驚きを隠せないが、離れ行く船と陸の上で、複雑な別れを告げます。

4巻のネタバレ

キャットへの差別

伝説や魔女への恐れを根強く持つアイルランドの民衆は、ハロウィンの夜に生まれた子どもキャットを恐れ、差別をし始めます。友達もできずに、街の人から忌み嫌われ、医師を投げつけられる生活の幼いキャット。

ハリエットとビリー母子

あるときスカーレットは町で行倒れているイギリス人母子を保護し、屋敷に連れ帰ります。母親のハリエットは学があり、頭がよく、物静かで聡明な女性。息子のビリーは、キャットの良き友だちとなってくれ、母子は屋敷に滞在することになります。しかしアイルランド人とイギリス人の対立でいずらくなった母子は、スカーレットの強い勧めでアトランタへと渡米します。ハリエットの真の強さや聡明さや、文学的な情緒を見て、スカーレットはかつての親友メラニーを思い出し、アシュレーの新たな再婚相手としてハリエットをアトランタへと送り込んだのでした。そして思惑通りとなったのです。

レットの来訪

スカーレットに会いに来たレットバトラーが久々にあったスカーレットに辛辣に当たって暴言を吐くことに我慢できず、スカーレットはくやし涙を流しますが、レットが去った後に、レットが再婚した奥さんを出産で亡くしたことを知ります。そしてすべてを元に戻すために、スカーレットに会いに来たのだと知ります。スカーレットは人づてに、レットに、「あなたには娘がいる」と伝言を残すのでした。

フェニアン団の暗躍

一方でアイルランドではフェニアン団の過激度が増し、スカーレットの居住地にも不穏な空気が蔓延し始めました。

アイルランドの農民による反乱

そしてついに、各地で農民が領主へ反乱を起こし、イギリス人領主たちは残酷な焼き討ちに会いました。

スカーレット母子への焼き討ち…

農民のために尽くしてきたスカーレットも例外ではなく、農民たちの憎しみの対象になっていたのです。スカーレットの不在時に、屋敷は焼き討ちに会い、フェニアン団のリーダーのコラムはイギリス軍隊と闘争して死亡。娘キャットを助けるために燃え上がる屋敷に駆け付けるスカーレットの前に、突然レットバトラーが現れます。

レットとの再会

巧みにかくれんぼをして無事だった娘キャットと再会を果たします。レットとキャットの初めての対峙をあわただしく済ませ、3人は逃げだします。娘がいることに感動したレットは、2度とスカーレットをはなさないと誓い、3人は新たな旅へと向かいます。

スカーレットの見どころ

本編に比べると、スカーレットが落ち着いた女性になっていて、しかも向こう見ずな愚かさにいちいち注釈をつけているところが「本編のスカーレットとは違う人物」として書かれています。レットバトラーはスカーレット以上に枠組みのみの存在で、本編の臨場感はなくなっています。

…という点に目をつむれば、普通の小説として楽しめる面白さ。

  • チャールストンが舞台
  • サバナが舞台
  • エレン・ロビヤールの若い日に密着
  • 若い日に密着
  • 親のオハラ家の親類の魅力と闇
  • 父親の故郷アイルランドが舞台

本編では、スカーレットの階層の中でしか語られなかった、本編のチェインストーリーが次々と登場。2人の叔母たちや、母の実家は本編ファンに心おどるものがあります。特にピエールロビヤールお爺さんの存在感はすごかったです。また、オハラ家の平民(貧民)的な立ち位置と、旧南部の旧家のロビヤール家の格式の違いも見どころでした。身分を超えた新しい無差別の世界に飛び込むスカーレットも、かつてオハラと結婚したエレン・ロビヤールも、遠い目で眺める旧家のロビヤール爺さんが、時代に取り残された南部の人っぽく浮き彫りになります。

また、本編では物語に重くのしかかっていた、奴隷解放問題と南北戦争。

今回の続編では、アイルランドのイギリスからの独立が背景に描かれています。アイルランドの迷信など話が飛ぶように感じますが、要所要所に姿を現すレットバトラーに引きつけられます。

「スカーレット」の動画はある?

スカーレットの動画はあるのだけど、2019年11月現在、名だたる動画配信サイトでは見つかりませんでした。ツタヤかゲオでのレンタルになりますね。ただ…クオリティはそんなに高くないので、原作を読む方がおすすめです。

さいごに

大好きな風ともに去りぬの続編ですが、別の作家さんなので多少は「別物」と覚悟して読むことをおすすめいたします。小説としての完成度は高く、十分楽しめるので、一度ぜひ、読んでみてくださいね!

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