
- 床屋の前にあるくるくるは何?
- なぜ赤と青なの?
- なんで回ってるの?
- 名前あるの?
- 現代のおしゃれ美容院には置いてない理由は?
息子に聞かれたけど全然答えられず…
答えられなかった悔しさをむねに、床屋の前のくるくるについて、徹底的に調べてしまいました。
以下をご覧になって、お子様の素朴な疑問に答えられる準備をばっちり整えてください!
床屋の前のくるくるの名前は?
[voice icon=”https://cocolotus.net/wp-content/uploads/2018/02/1012915m.jpg” name=”こどもたち” type=”l”]「あれなんて名前なの?」[/char]
ってところから、普通に生活していたら分かりませんよね。
床屋前のくるくるは【サインポール】といいます。
【ポール】【アルヘイ棒】とか【ねじりん棒】(←サザエさん由来)なんて呼び名もあります。
なぜ赤と青なの?由来は?
あの床屋の前のくるくる、実は世界共通なんですよ!

てっきり昭和初期のなごりか何かだろうと思っていたけど、世界共通と知ってびっくり。
なぜ赤・青・白なのかという由来には、いくつかの説がありました。
色の由来の前に、知っておくべきこと!
床屋の前のクルクルの由来を調べると、まず知っておくべきことが一つあることに気がつきました。
それは昔のヨーロッパで、「床屋」=「医者」であることが多かったということ。
戦争の絶えなかった中世ヨーロッパでは、怪我の手当てをする場所が「理容室」も兼ねていました。
赤と青のサインポールの由来に、
この「床屋=医者」というセットの職業が深く関わってくるので覚えておいてくださいね。

医師免許のある美容師さん…現代日本にいたらカリスマ的存在ですね笑
「赤→動脈・青→静脈・白→包帯」説はガセ!
昔からよく言われている、動脈&静脈&包帯説は、どうも真実ではないようです。
理容師が医師を兼ねていた(床屋外科)が一般的だった12世紀のフランスに由来するために、
現代のサインポールの色が赤&青&白になったという説がありましたが、それは疑わしいという根拠があります。
1628年に、イギリスの医学者ハーヴェーが、「血液の循環理論」を証明。
それによって初めて、「動脈」と「静脈」という血管の役割分担があらわにされました。
つまり、12世紀のフランスではまだ、動脈や静脈の概念も知識もなかったはず。
ゆえに床屋の前のサインポールが「動脈と静脈」というのは眉唾です。
時期的におかしいですよね。
血液が循環してるから、くるくるまわってるんだって点でも納得いく由来だったのに、ガセだったんですね。
「しゃけつ説」が有力
12~3世紀のヨーロッパでは、病気の治療法として「瀉血(しゃけつ」がよく行われていました。
しゃけつとは、体の悪い部分の血をぬく行為。
病気を治す治療法として、しゃけつは広く行われていたのです。
- 患者に棒をにぎらせる
- 棒に腕を固定する
- 棒の下に受け皿を置く
- 腕に切り込みをいれ、血が棒を伝って受け皿に落ちる
このしゃけつで使われる棒は、血がついて汚れるため、もともと赤く塗ってありました。
使用後の包帯を洗って、しゃけつ棒にくるくるとまいて、床屋外科の前に干したそうな。
それこそが、現代の床屋前のくるくるの元祖だというのです。

でもそれじゃ、「赤と白」の理由は分かるけど、「青」はどこから来たの?
その後18世紀フランスで、理容師と外科医の職業が分けられました。
- 理容師→青
- 外科医→赤白
その際に、職業を表わすカラーも分けられたのです。
つまり、職業わけの後も「理容医師」として開業していた人は、看板代わりに「青・赤・白」を家の前に置いたのです。
それこそ、現代の床屋の前の赤いくるくるの元ではないか?!
という説が最有力!
フランスの国旗カラー説
もう一つ、床屋の前のサインポールの由来説があります。
床屋の前のくるくるを見たとき「色がフランスの国旗に似てるから、フランス由来かな?」って思いませんでした?
1815年、あの有名なナポレオンがワーテルローの戦いで手痛い打撃をこうむりました。
負傷兵のための野戦病院の入口に、フランス軍の目印として、国旗のトリコロールを棒に巻きつけておいたそうです。
それが、現代の理容室に伝わっているという説。

うーん、それも本当っぽいけど、真相は分かりません。
そもそも、なんで回る?止まってちゃダメ?
さて、由来が結局分からないということが分かったところで、「なんで回るの?」という疑問について調べてみました。
答えは笑っちゃうほど単純明快。
- 回る→営業中
- 止まってる→営業時間外
なんだ、そんなことか、って思いますよね。
営業中でも客がいっぱいで受付できないというときには、くるくるをとめることもあったようですよ。
でもちょっとまって!夜も回ってるのを見たことある!
って思う方、そうなんです。
営業時間外も回ってることがあるんです。
常夜灯代わり
現代ほど電気が普及していなかった時代、
床屋前のくるくるをまわし続けて「常夜灯代わり」にしていたそうです。

常夜灯も何も、赤と青が回ってるだけで光るわけでもないのに。
って思いますが、文明が進む前は「夜に動いているものがある」ってだけで、一般人には安心感を。犯罪者には警戒心をもたらしたのだと思いますよ。
さいごに
- 床屋の前のくるくるの名前は「サインポール」という。
- 中世ヨーロッパでは、外科医が床屋もかねていた。
- 後に職業わけされたときのシンボルカラーとして、「外科医→赤・白」「床屋→青」とされた。
- その後の床屋外科医の前には、職業を表わす「赤・青・白」を棒に巻きつけて目印とした。
- ナポレオンがワーテルローの戦いの野戦病院に、目印としてフランスの国旗(トリコロール)を巻きつけたという説もある。
- サインポールが回るのは営業中の合図である。
床屋前のくるくるについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
我が家の10歳息子、質問するだけしておいて、
必死で調べて「床屋外科医説&しゃけつ説」について説明してるのに「ふーん」で流されました…。
ナポレオン説のほうがかっこいいし!
また日常の疑問などあれば、調べてまとめて行きますね。
読んでくれてありがとうございました。
蓮